建設業における外国人の特定技能

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特定技能により、外国人の長期雇用が可能に

建設業界では、近年の建設投資の減少により、建設企業が倒産するなど、技能労働者の離職が進んだこと、技能労働者の高齢化が進み、高齢者が仕事を辞めていっていること、建設産業の処遇改善が進んでいないことなどから、若者が入職を避けるようになっていること、という要因により、深刻な人手不足が問題となっています。
人手不足を解消するため、外国人を雇用したいと考えられている企業も多いのではないでしょうか?

これまでは、外国人の方が建設業の作業員として働くためには、一般的な就労ビザ(正式には「技術・人文知識・国際業務」)を取得することができませんでした。そのかわりに、建設業では「技能実習制度」を利用することが一般的でした。

しかし、技能実習制度では、働いてもらう期間が3年(または5年)と決められていて、その期間が満了すると必ず母国に帰らないといけません。その結果、「せっかく仕事を覚えてもらったのに帰国してしまう…」という状況が続いていたのですが、「特定技能」ビザに変更することで、技能実習期間が満了した後も継続して日本で働いてもらえるようになりました!

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特定技能1号2号について

「特定技能」ビザには、1号・2号の2種類あります。

  特定技能1号 特定技能2号
在留期間 最長5年 上限なし
家族の帯同 基本的に不可 可能
特定技能外国人に
対する支援
必要 不要
要件

次のうちどちらかを満たしていること

  • ① 技能実習3年間を良好に修了していること
  • ② 技能試験+日本語能力試験に合格していること

次のうちどちらも満たしていること

  • ① 技能検定1級または「建設分野特定技能2号評価試験」(※)に合格していること
  • ② 建設現場において複数の建設技術者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験

(※)建設キャリアアップシステムの能力評価における「レベル3(職長レベルの建設技能者)」を想定。建設分野特定技能2号評価試験は、令和3年度に実施予定。

特定技能1号と特定技能2号の違いについて 詳しくはこちら

「特定技能」在留資格取得のための2つの方法

1
特定技能評価試験に合格する
2
技能実習2号を良好に修了する

※建設業の特定技能評価試験はまだ実施されていませんが、今後随時行われる予定です。

特定技能外国人を受け入れる会社に必要な準備と義務

特定技能外国人を受け入れるための主な基準

1

外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が適切であること

例:報酬額が日本人と同等以上

2

受入れ機関自体が適切であること

  • 5年以内に出入国・労働法令違反がない
  • 労働・社会保険・租税に関する法令の遵守
  • 1年以内に非自発的離職者、行方不明者を出していない
3

保証金の徴収・違約金契約等を行わないこと

4

外国人を支援する体制があること

  • 例:外国人が理解できる言語で支援できる
  • ※支援する体制がない場合は「登録支援機関」に支援を委託する必要があります
5

外国人を支援する計画が適切であること

  • ※支援を「登録支援機関」に委託する場合は、登録支援機関が支援計画を作成します。

受入れ会社の義務

1

外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること

例:報酬を適切に支払う

2

外国人への支援を適切に実施すること

支援については、登録支援機関に委託も可。
登録支援機関に全部委託すれば外国人を受け入れるための基準③を満たせられます。

3

出入国在留管理庁への各種届出を行うこと

(注)上記1〜3を怠ると外国人を受け入れられなくなるほか、出入国在留管理庁から指導、改善命令等を受けることがあります。

Point 建設業には上乗せの要件

また、建設業で「特定技能」の申請をする場合、他の業種にはない上乗せの要件が設けられています。
外国人を受入れる会社は在留資格申請の前に「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣に認定を受けなければなりません。

受入計画認定の基準として、必要な要件

1

建設業許可を取得していること

2

企業および特定技能外国人の建設キャリアアップシステムに登録

3

建設技能人材機構への加入、および当該法人が策定する行動規範の遵守

4

特定技能外国人の給与が同等の技能を有する日本人と同等額以上、安定的な給与支払い、技能熟練に応じた昇給

5

給与等の契約上の重要事項を書面で事前説明(外国人が理解できる言語で)

6

国または適正就労監理機関による受入計画の適正な履行に係る巡回指導の受入れ 等

7

1号特定技能外国人と外国人建設就労者の合計人数が、常勤の職員の総数を超えないこと

8

1号特定技能外国人に対し,受け入れた後において,国土交通大臣が指定する講習又は研修を受講させること

技能実習から特定技能に移行できる職種

技能実習から特定技能への変更は、すべての職種で移行できるわけではありません。
まずは、特定技能外国人に働いてもらいたい職種が対象職種に入っているかどうか確認しましょう!

現在、対象になっている職種は18職種です。
※2020年2月28日に特定技能外国人の受入れ対象職種について、従来からの11職種に加え、新たに7職種が追加されました。

従来からの職種
型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、
電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ/表装
新たに追加された職種
とび、建築大工、配管、建築板金、保温保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工

※受入れ対象職種と修了した技能実習の職種との対応関係については、以下をご確認ください。

運用要領(ガイドライン)別表6-1

「技能実習生」から「特定技能」への在留資格の移行手続きは要件が多く複雑、
不備があれば移行手続きが失敗することも…

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